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足利事件−恐るべき冤罪の構図

「裁判員でも有罪と判断」 釈放の菅家さん単独会見

1990年の足利事件で再審請求中に釈放された菅家利和さん(62)=無期懲役が確定=が6日、東京都内で共同通信の単独インタビューに応じ「もし自分の一審が裁判員裁判でも、無罪は出なかったのではないか。裁判員は鑑定結果を信じて、有罪と判断しただろう」と述べ、証拠化される鑑定の精度を高める必要性を強調した。

また「警察や検察がわたしや両親、兄弟に謝罪しなければ、永久に許さない。裁判官も謝ってほしい」と訴え、取り調べの録音・録画(可視化)を導入すれば強引な取り調べを防止できる、との考えも示した。

菅家さんは「刑務所に収監された時には、一生出られないのではないかと思うこともあった」と服役生活を振り返り「白いご飯がおいしい」とあらためて釈放の喜びを語った。

その上で「釈放には感激したが、DNA鑑定で無期懲役になり、再鑑定で釈放された」と複雑な心境も吐露した。

捜査段階の取り調べについて「『おまえだよ』『証拠はある』と怒鳴られ続けた。否認すると髪を引っ張られ、足をけられた。いくら言っても聞いてもらえず『もう駄目だ』とやけになった」と自白に追い込まれた状況を詳述。「今は自白を後悔している。当時は気が小さかった」と述べた。

確定判決では、菅家さんが90年5月、足利市内のパチンコ店から保育園女児=当時(4)=を近くの河川敷に誘い出し絞殺した、とされている。
2009/06/06 20:17 【共同通信】
JUGEMテーマ:ニュース
釈放された菅家さんの会見から生々しい冤罪の構図が浮かび上がってきた。
そこには想像されたように理性を覆ってしまうような暴力的威嚇、暴力そのものがあったようだ。

しかし世の中には自分の「強さ」によほど自信のある人物が多いらしく、なぜやってもいないのに自白させられてしまったのか?などと言う意見も多いようである。
それではその「やってもいないことを自白させられてしまう」状況とは、いったいどんな状況なのだろう。

作家の日垣 隆氏の「情報の技術 インターネットを超えて」(1997年)の第19章「DNA捜査の落とし穴」に当時のかなり詳細なレポートがあった。
本人のブログからのリンクがあるので紹介しておく。
リンク(PDF)

以下引用:
この足利事件には、DNA型鑑定の威力を、マスコミを通じて大蔵省にも認知させるべく警察庁の多大な期待がかかっていた。
警察は、後に逮捕される菅家利和容疑者に過去の二事件についても嫌疑をかけ、最新の科学捜査によって逆転満塁ホームランを打つとさえ、事件当時の警察庁刑事局捜査一課長・山本博一氏は講演会で明言した(九一年十二月十八日)。
警察庁刑事局長(容疑者逮捕当時)は國松孝次「前」警察庁長官であった。國松刑事局長が、衆議院予算委員会で初めてDNA型鑑定のPRを行うのは九一年五月二十九日のことだ。
山本捜査一課長は、事件後(九〇年九月)、栃木県警本部長に栄転して総指揮に当たり、一審の有罪判決時に警察庁鑑識課長だった森喬氏も、九四年七月から栃木県警本部長として控訴審の維持に努めた。
警察庁の科学警察研究所(科警研)が、MCT118型という第一染色体上の特定部位に目をつけたDNA型鑑定を実用化するのは九〇年十月。
栃木県警がマークした菅家利和さん(当時四十四歳)の尾行を開始するのは翌月からである。
(中略)B型であったことから、菅家さんは有力容疑者とされたのだった。
二人の尾行者の目的は、幼児への異常な行動を監視するためと、DNA型鑑定に必要な液を本人に気づかれることなく入手することである。
丸一年間にわたって尾行したが、幼児がらみの不審な行動は皆無だった。
ただし尾行開始の半年後に、菅家さんが出したゴミ袋からティッシュペーパー五枚を人手することに成功する。
唾液にはDNAが含まれておらず、令状もなしに(たとえあっても)血液採取を強いることはできないから、相手が男の場合には(中略)使用済みのティッシュペーパーが、捜査員の標的にされたのである。
(中略)
さてこうして、科警研がDNA型での「一致」を認めた鑑定書を作成し終えるのは九一年十一月二十五日である。
栃木県警本部は、菅家さんに事情聴取する段取りを十二月一日に設定する。
もちろん、地元の新聞社(および全国紙の支局)は知るよしもない。
しかし十二月一日(捜査本部が菅家さん宅に向かう当日の朝)には、読売新聞の一面トップに「幼女殺害/容疑者浮かぶ/45歳の元運転手/DNA鑑定で一致」、朝日新聞は社会面トップで「足利市の保育園女児殺し/重要参考人/近く聴取/毛髪の遺伝子ほぼ一致/市内の45歳男性」、毎日新聞は「元運転手、きょうにも聴取/現場に残された資料/DNA鑑定で一致」と大々的に報じた。
これを見て驚いたのは、地元の下野新聞と栃木新聞と、完全に抜かれた産経新聞や共同通信その他と、そして菅家さん宅に向かおうとしていた捜査員であった。
警察庁がDNA型鑑定機器導入のために重ねる大蔵折衝が通るかどうかの、まさに瀬戸際であってみれば、十二月一日付全国紙へのリークは実に大きな意味をもった。
全国紙を見て百人近い報道陣が詰めかけ、十二月一日の足利署は異様な雰囲気に包まれた。
今か今かと待ち構える報道陣を階下に、自白調書の作成が急がれた。
橋本文夫警部から菅家さんは肘でなぐられ、髪の毛を引っ張られて「馬鹿面しているな」と罵倒されたという。
「なぜ死体にお前の精液があったのだ、本当のことをいえ」と十五時間も繰り返され、おびえきった菅家さんは、深夜には最初の自白調書に捺印した。
そうすれば眠らせてくれるという約束だった(菅家さんによる)。
翌二日に逮捕。四日にはティッシュを押収した警部補や自白調書を執筆した警部ら八人が県警本部長から表彰されている。
二十一日に宇都宮地検は菅家さんを起訴、二十六日にはDNA型鑑定機器導入費用が復活折衝で満額認可された。


さて、こういった経緯で追い込まれた捜査本部は力ずくで菅家さんを自白させた。
しかし、菅家さんのひとりぼっちの戦いはこの後も続いた。
弁護士でさえ「味方」をしてくれなかったのだ。

以下も引用
一審では、実兄が五十万円で依頼した梅澤錦治弁護士(奥澤利夫弁護士に応援を頼んだので二十五万円ずつが報酬のすべて)は、たとえば次のような質問を発している。
問「この事件だって、えらいおかしな事件でしょう。小さな子ども殺して、いたずらしているというんだからね。あなた、正直言って、死んだ子をなめたり何かしたんだろう
答「……」
問「検事の調書にはそう書いてあるよ」
答「……」
今でも梅澤弁護士は、菅家さんが「やった」と思っている。
ただし、「拘置所の面会でも『やったのか、やらないのか、やったんだな』と聞いたら、コクリとうなずいた。だが今にして思えばあのとき、『やっていないんだな』と聞いてあげていれば、ハイとうなずいたかもしれない」という。
菅家さんが法廷で犯行を否認すると、梅澤弁護士は、「信頼関係を崩された気分だ。今後も否認を続けるなら、辞任もありうる」と公判後の記者会見で語っている。
菅家さんは、否認したことを詫びた
だがすぐに、菅家さんは弁護士に直訴する。
「[前略]梅沢先生どうか私を助けて下さい 判決も近いのにごめんなさい だけどもう殺っていないのに殺ったといえません 梅沢先生すいません[後略、あとは当日のアリバイが詳細に書かれ、のちに控訴審の弁護団によって裏付けがとられてゆく]」
こうして被告人が否認したのに、「やった」ことを前提に弁護するという希有な裁判がそのまま結審し、無期懲役の判決が下されたのだった。
菅家さんは逮捕以降、家族にあてて一貫して無実を訴え続けていた。
「[前略]俺は事件などおこしていません DNA鑑定はちがっています もう一度しらべてもらいたいものです 無実の人間が犯人にされてはたまらないです まったくとんでもない事です それから親父が亡くなって一年だと思いますがたしか命日が十二月十五日だと思いますが俺は親父の死に目にあえなかった 本当に残念でなりません 俺は親不孝をしてしまった でも事件の事は無実です 昨年の十二月一日調べをうけている時顔を上げろといわれて頭の毛をひっぱられました そして馬鹿面してるなと刑事にいわれました 俺はくやしかった 本当にくやしかった くやしくてもどうする事もできませんでした 警察の調べはごういんです やっていない事でもやったと言うまでしつこくていやでした[後略]」
別の手紙で、菅家さんはこう書いている。
「私は罪をおかしていないのに犯人にされました。だからDNA鑑定はおかしいのです」。
「俺は犯人がにくい、真犯人をぜったいゆるさない」とも書いた。
このような手紙に対して、検事は論告で、「無残にも殺害された被害者へのいたわりやその家族への思いやりがまったく表明されていない。……自己のことしか考えない……真摯な反省も認められない」と非難した。
宇都宮地裁の久保眞人判事は、「大事件を起こしたとして肉親からの面会もなく寂しかったことから、見捨てられるのを恐れ、[家族に]無実を訴えた可能性が高い」と判決文で断じた。(後略)


こうして本来弁護してくれるはずの弁護士にも信じられずに、菅家さんは有罪判決を受けることになるのである。
おそらくこの時点で弁護士にも「自白」と「DNA鑑定」と言う事実を突きつけられて菅家さんが犯人であるという先入感が植えつけられてしまっていたのではないか?
科学捜査もいい。
しかしそこに介在する人間が悪意に満ちていれば、それは冤罪を生み出す温床にしかならないと言うことなのではないだろうか?
正直PDFの内容はヘビーな描写もある事は忠告しておくが、この冤罪事件が作られた経緯に興味があるかたはご一読をお勧めする。

このような状況下で裁判員制度が当時もしあったとしても、菅家さんはやはり同じ運命をたどったことは想像に難くない。
当時の新聞も完全に犯人扱いである。

菅家さんは意志薄弱であるかのようにしばしば書かれているが、この詳しい状況を読むと相当意志の強い人間でも最後まで無実を主張することがいかに難しいかわかる。

また、もう一つの事件「飯塚事件」では逆に無罪を主張し続けたために「反省の弁なし」と判断され、死刑判決の一つの材料にされている。
これでは本当に魔女裁判である!

今だからおかしい事だらけだと言えるが、やはりマスコミも含めて当時熱に浮かれたようにDNA鑑定の信頼性を疑わなかったことを反省しなければならない。

そして町人の一分のメインテーマであるサムライ、今回は警察官僚の犯罪、自分たちの利益のために犯人をでっち上げる卑劣さを告発したい!

いろいろリンクを組んでくれた皆さん、ありがとうございます。
この事件はDNA鑑定機器導入をめぐる宣伝に利用するためにマスコミも巻き込んだ意図的なでっち上げの冤罪事件です。
参照
足利事件年表
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