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足利事件−冤罪の原因はDNA鑑定の精度だけではない!

1991年12月2日 読売東京 朝刊 社会 14版 31頁

"ミクロの捜査"1年半幼女殺害、容疑者逮捕

一筋の毛髪決め手 菅家容疑者ロリコン趣味の45歳

容疑者に導いたのは一筋の毛髪――栃木県足利市の幼女殺害事件で二日未明、同市内の元運転手、菅家利和容疑者(四五)が殺人、死体遺棄の疑いで足利署に逮捕されたが、延べ四万人の捜査員を動員したローラー作戦とともに"DNA検査"が、四千人に及ぶ変質者リストからの容疑者割り出しにつながった。週末の「隠れ家」でロリコン趣味にひたる地味な男。その反面、保育園のスクールバス運転手を今春まで務めるなど、"幼女の敵"は大胆にもすぐそばに潜んでいた。

事件発生から四か月が過ぎた昨年秋、ついに菅家容疑者が浮かんだ。ピーク時は四千人に達した変質者リストを基に、一人一人のアリバイをつぶすという途方も無い作業だった。捜査本部は、この後一年を超える内偵で、菅家容疑者の毛髪を入手。M・Mちゃんの遺体などに残された体液とDNA鑑定を依頼、先月下旬、ついに「他人である確率は千人に一人で、ほぼ同一人物と断定できる」との鑑定報告を手に入れた。

M・Mちゃんが失踪したのは昨年五月十二日午後六時半。この約十六時間後に遺体を発見、比較的新しい状態でM・Mちゃんの遺体から犯人の体液を採取したことが、結果的にDNA鑑定の成功に結びついた。

事件発生から約一年七か月。動員された捜査員は一日平均百人、延べ四万人を超えていた。

私がやりました

「私がやりました……」

菅家容疑者は、絞り出すような声でMちゃん殺しを自供した。午前中、取調官が事件に触れると、「容疑者に間違いない」と取調官は感じた。

だが、菅家容疑者が事件について語り始めたのは夜十時近くになってから。取調べは一日朝から十四時間にも及び、事件発生から一年半にわたる捜査がようやく実を結んだ瞬間だった。

無言のMさん夫婦

昨年十月、千葉県船橋市内のビルに引っ越してきたM・Mちゃんの両親のMさん夫婦は二日午前一時ごろ、自宅に戻り、無言のまま室内に入った。

同じビルの商店主は「Mさんとはほとんど接触はなかった。引っ越してきたとき、夫婦二人だけなのに子供用の自転車があり、どうしたのかなと思っていた。そんな大きな事件に逢っていたとは」と話していた。

"週末の隠れ家"借りる

菅家容疑者は、昭和三十七年地元の中学校を卒業後、職を転々としたが、五十六年六月から今年四月までは、同市何の保育園と幼稚園計二か所で、スクールバスの運転手をしていた。

このうち、今週までの約一年間は、五十九年十一月にパチンコ店から行方不明となり、その後白骨体で見つかったH・Yちゃん(当時五歳)が通っていた幼稚園に勤めていた。

五十六年から約八年間働いていた保育園の園長は「朝夕二回の運転のほか、休職の準備や草むしりなどもしてもらっていた。仕事ぶりはまじめで、園児たちともごく自然に接していたが、仕事以外の趣味などは分からなかった」と話している。

二十代半ばに結婚したがすぐに離婚。同市家富町の実家で両親や妹と暮らしているが、十数年前「週末をゆっくり過ごすため」と、M・Mちゃんの遺体発見現場から南へ約二キロはなれた同市福居町に、六畳と四畳半二間の木造平屋一戸建てを借りた。この「週末の隠れ家」には、少女を扱ったアダルトビデオやポルノ雑誌があるといい、菅家容疑者の少女趣味を満たすアジトとなったらしい。

実家近くの主婦(五二)によると「もの静かでいつもうつむいて歩いていた。地味な人という印象だった」という。事件後しばらくして実家に県警の刑事が聞き込みに訪れた際は、特に変わった様子も無く、普通に受け答えしていたという。
JUGEMテーマ:ニュース
上の記事は菅家さんが警察に連行され、暴力と脅し、DNA鑑定結果という証拠の末に「自白」させられた翌日の読売の朝刊の記事である。

もちろん事実無根のでたらめな記事であることは今となっては明白だが、キーボードを打つ手も腐る思いで、あえてここに記しておきたい。
それはこの事件がどうしようもない間違いと誤解から起きた冤罪事件ではなく、たまたま菅家さんに目をつけた警察とマスコミが意図的に作り上げた冤罪事件であると言うことを証明するためである。
主犯は警察であることは間違いない、しかしマスコミもその片棒を担いだことは間違いないのである。

そもそも各紙の論調は当時のDNA鑑定の精度ばかりを問題にして、まるで当時の精度の低いDNA鑑定をあてにしてしまったためにこのような冤罪が生まれたと言わんばかりである。
町人も当初はそう思った。
しかし、この事件の真相を深く調べていくうちに、DNA鑑定の精度の問題ではなく、もっと深いところに冤罪の構図が存在することに気づいたのである。

そもそもDNA鑑定の精度は当時は800人にひとりか、1000人にひとり程度でしかなく、1000人にひとりでも日本全国に12万人も該当者が存在してしまう。
しかし今は何兆分の一だかで本人がほぼ特定できるとのことである。
各マスコミはこのことをあげつらっていかにも当時はDNA鑑定が万能だと思われていたが、今の技術の発展から比べるとまだまだだった、そんなに精度が低い鑑定であったのであれば冤罪が起こってもしょうがないみたいな論調である。

しかし、当時の読売の記事を見ると意外なことがわかる。
よく読んで欲しい。
記事の中についに「他人である確率は千人に一人で、ほぼ同一人物と断定できる」との鑑定報告を手に入れたとあるのである。
1000人にひとりという鑑定の精度はすでに当時からマスコミ、少なくとも読売新聞では知られていたのである。
しかしこともあろうに(おそらく警察の発表を鵜呑みにし)1000人にひとりという程度の結果で「同一人物であると断定」と判断したのである。

少し考えれば、それは全国に12万人、あそらく関東地方だけで数万員規模の「同一人物」が存在していると言う結果であることがわからなかったのか?
これではたとえ100人にひとりの結果であっても、10000人にひとりの結果であっても冤罪は生まれてしまったのではないだろうか?
言ってみればこれは1000人にひとりでも本人確定という警察の捜査結果に何の疑いも持たないマスコミが追認してしまった冤罪なのである。

そししもうひとつ、昨日の記事でも書いたが12月1日という、菅家さんが連行された当日に、すでにその日の各紙の朝刊に菅谷さんの事情聴取とDNA鑑定結果が先行報道されるという異常な事態もまた、マスコミのこの事件への言い訳も出来ない深い関与を示しているのである。

足利事件年表より引用
1990年 5月12日  夕方7時頃、足利市内のパチンコ店から4才の保育園児Mちゃん行方不明となる。

     5月13日  渡良瀬川河川敷でMちゃんの遺体発見。ごく微量の精液の付着したMちゃんの半袖 下着、同川の水中で、泥だらけの状態で発見。同日夜、県警科学捜査研究所、Mちゃんの半袖下着に付着した精液斑を血液型鑑定し、B型と特定。

      10月      科学警察研究所(科警研)がDNA鑑定を実用化へ 

      11月末    聞き込み捜査により幼稚園バス運転手菅家利和さんマ−クされ、寺崎巡査部長、菅家さんの借家を訪問。捜査令状無しで室内を調査。勤務先へも刑事が聞き込み。以後彼のみが徹底的なマ−クを受け、逮捕まで約1年間も尾行され続ける。

1991年 3月      勤務先への刑事の聞き込みが原因で解雇され、以後失業。

      5月22日   警察庁がDNA鑑定導入決定。

      6月23日  尾行中の刑事、菅家さんの捨てたゴミ袋を無断で押収。中に入っていた使用済みティッシュを押収。

    8月21日   科警研に半袖下着とティッシュをDNA鑑定依頼。

      8月28日   警察庁がDNA鑑定機器費用概算要求(1億1600万円)

11月25日   DNA鑑定報告。一致との結果。(約2ケ月以上遅れて報告。意図的。)

12月 1日  早朝、警察は菅家さんを逮捕状もなく、足利警察署へ連行。同日夜中まで取り調べ。

            夜半、自白。

 この日の朝、読売・朝日・毎日3紙が、朝刊の全国版に大きく「DNA鑑定一致。容疑者事情聴取」と先行報道。地元紙の下野新聞や、東京新聞、産経新聞等には事前に情報が伝わらなかった。、また上記3大紙でも地元記者には同様に情報が伝わらなかった。警察庁が情報を特定の報道機関にリークしたとしか考えられない。

 何故か?当時警察庁は、警察庁にしかなかったDNA鑑定機材を、全都道府県警に配備することを目指していた。その年大蔵省に予算要求して、一旦はねられてしまったが、その復活折衝に向け、DNA鑑定のすばらしさを宣伝する必要があった。ちょうどその時期、幼女殺害容疑でひそかにDNA鑑定された菅家さんは、グッドタイミングで恰好のターゲットにされた。この時点で、すでに菅家さんは、何が何でも犯人でなければならなかった。

 この警察庁のリークを、栃木県警も知らされていなかった。早朝から大挙して押し寄せた記者たちによって事の深刻さを初めて認識した県警は、すさまじいプレッシャーの中、逮捕状なしに菅家さんを連行、取調べを開始した。

      12月 2日 未明、自供によりMちゃん殺害容疑で菅家さんを逮捕。

     12月 4日 橋本警部、寺崎巡査部長、茂串清、手塚一郎警部補、福島康敏県警技官ら本 件捜査担当者8人を表彰。

     12月 5日   科警研に菅家さんの血液の鑑定依頼。

      12月13日  渡良瀬川河川敷などを現場検証。

      同日  菅家さんの血液のDNA鑑定報告。

      12月21日   Aちゃん事件で菅家さんを起訴。

        (中略)
       
      12月26日  DNA鑑定機器予算が、大蔵省復活折衝で認可


おわかりであろうか?
警察庁のDNA鑑定機器予算の復活折衝のために意図的に組まれたDNA鑑定の手柄を見せるために作り上げた舞台だったのである。
それにマスコミは愚かしくも追随したのである。
そのためにひとりの罪もない人間の17年もの人生が奪われたのである。

でなければこのような形でのリークによる先行報道は捜査情報の漏洩でしかないのである。
当時の各新聞社の担当はこのような情報に踊らされて無実の人間を犯人に仕立て上げる片棒を担いだことをまず認め、謝罪する意思があるなら警察からどのような形で情報がリークされたかはっきりさせなければならないのではないか?

それは警察が意図的に菅家さんを犯人に仕立て上げた重要な証言になりうるだろうし、警察の犯罪(はっきり言おう)の動かぬ証拠でもあるのだ。

そしてやはりこの事件の根底にはサムライ警察官僚の利権追及、組織防衛のための生け贄を欲したと言うことに他ならない。
いわゆる武士の一分だ。

DNA鑑定の精度がどうのと言う話は(事実ではあるが)事の本質を矮小化して争点をうやむやにするための方便に過ぎない。
そんな低い精度でも「ほぼ同一人物」と言えるマスコミがいたのだ。
もし多少精度が上がっても冤罪は起こっていたのではないか?
問題は警察の御用記者、御用マスコミに収まって思考能力の停止したマスコミのソフト的な資質なのである。

また今日もこの事件に食らいついてしまった町人の一分である。

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